蛇口をひねれば飲水が出てくることは、わたし達にとって当たり前のことです。しかしこの状況は当たり前のことではないのです。水道水の仕組みを知ることで、今の状況が当たり前でないということが分かっていただけることでしょう。ここでは、水がわたし達の口に運ばれるまでの流れについて説明します。
雨水が飲水になるまでの3ステップ
ステップ1:ダムに水をためる
実は川の水や雨水が、わたし達が普段口にしている水道水となっているのです。川の水量は季節や天気によって変動し、雨が少ない年は渇水してしまうことがあります。そうならないために、降った雨をダムにためておきます。こうやってダムに雨水をためておくことで、いつでも必要なときに必要な量の水が確保できるようにしているのです。
またダムには水力発電や洪水などを防ぐ役目もあります。
ステップ2:取水口から浄水場へ送られる
川の水やダムからでた水は、取水口から取り入れられ、県営の浄水場へと送られます。この浄水場で水が綺麗に浄化されるのです。主に浄水場では、水に含まれる砂や土といった汚れを沈殿させて取り除いた後に、塩素を入れて鉄やアンモニアなどを取り除いています。
ステップ3:配水場・ポンプ場に水をためておく
浄水場できれいにされた水は、使用料に合わせて無駄なく配るために、企業団が運営する配水場内にある配水池に、ひとまずためておきます。そしてコンピューターで管理しながら、配水管や給水管を通って各家庭に届けているのです。
使った水はどうなるの?使った水の行き先について
水道水は飲水だけでなく、食器を洗う時や洗濯をするときにもしようされており、これらのことに使用した水は必ず汚れます。これらのことに使用し汚れた水は、排水口から下水道管を通り、水再生センターに運ばれます。そして水再生センターで微生物により汚れた水を綺麗にし、川や海に戻します。川や海に流された水は、また水道水となり、わたし達のもとへと戻ってくるのです。
水は再利用されている。家庭汚染を防ごう!
上記で説明したように、使用した水は再び川や海に戻り浄水場できれいな水に変えて、もう一度わたし達の家庭へと戻ってくるのです。つまり水が再利用されているということです。食器を洗ったり洗濯をしたりするだけで、水は汚れてしまいます。そしてその汚れた水が川や海に戻ることで、原水が汚れる原因となるのです。わたし達にできることは、水を極力汚さないということです。油をそのまま排水口に流したり、指定された洗剤量より多く入れて洗濯したりすることが、水を汚してしまう原因となるため、油をそのまま排水口に流さず、洗剤の指定量を守ることを心がけましょう。
使う水の量は限られている!水は大切に使おう
川の水や雨水を原水とし、浄水場でしっかりと汚れを取り除き、飲用水として利用しています。川の水量は季節や天気によって変動し、雨が少ない年は渇水してしまうことがあるため、使用できる水の量には限りがあります。蛇口をひねれば簡単に水が流れ出てくるため、今の状況が当たり前だと思いがちですが、今の状況を当たり前だと思わず、節水を心がけて水を大切に使うようにしましょう。
おわりに
川の水や雨水が、わたし達が普段口にしている水道水の原水です。これらの水を浄水場でしっかり汚れを取り除くことで、飲水として利用できるようにしているのです。わたし達は蛇口をひねれば当たり前のように飲水が流れ出てきますが、この状況は当たり前のことではないのです。川の水やダムにためている雨水は、季節や天気によって減少したり、最悪の場合は渇水したりします。そのため水の使用量には限りがあるのです。
ですから日頃から節水を心がけて、水を大切に使うようにしましょう。
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