私たちが安全な水を飲むために一人ひとりが考えなければいけないこと

私たちが安全な水を飲むために一人ひとりが考えなければいけないこと

世界で水道水をそのまま飲める国は、15カ国ほどしかありません。日本はそのたった15カ国の中に含まれています。196カ国中、15カ国しか水道水をそのまま飲むことができないということを考えると、水道水がそのまま飲めるということが、当たり前のことではないと考えさせられます。ここではわたし達がこれからも安全な水を飲むために、一人ひとりが考えるべきことを説明します。

浄水処理によって飲める水に変えている

水道水は川の水や雨水を原水とし、浄水場で沈殿・ろ過・消毒という3段階の浄水処理を行い飲水へと変えているのです。昔は飲水に混ざっていた病原菌やウイルスによって、さまざまな病気を引き起こしていました。しかし浄化処理の技術が上がり、今では病原菌やウイルスが混ざることのない綺麗な水を飲むことができるようになったのです。

水は再利用されている!使った水の行方について

家庭や工場で使用された水は排水口から下水管を通り、水再生センターに運ばれます。そして水再生センターで微生物によって汚れをある程度取り除き、川や海に戻されます。川や海に戻された水は、蒸発して雲になり、雨を降らせます。そしてその雨がダムに溜まり、浄水場で浄水処理され、もう一度わたし達の家庭へと送られてくるのです。

これからも安全な水を飲むために私たちにできることとは

貴重な水資源を守るために、わたし達にできることは、出来る限り水を汚さないということです。水環境の汚染源の1つに家庭からでる、生活雑排水があります。生活雑排水は台所・洗濯・お風呂などから排出される水のことをいい、特に水を汚しているのが台所排水です。台所排水には食品の残りや残りカスなどの有機物が含まれています。水の中にいる微生物はこれらの有機物を餌にしてエネルギーを得ています。その際に水中の酸素が使われてしまうため、有機物が多いほど酸素の使用量が増えます。酸素の使用量が増えることで、水中の酸素が欠乏し、魚などの生物が生きていけない状態になってしまうのです。

魚が生きていける水質に戻すために必要な水の量

使用済みの天ぷら油 浴槽330杯
マヨネーズ大さじ1 浴槽12杯
米の研ぎ汁 浴槽6杯
味噌汁1人前 浴槽5杯
煮物の煮汁 浴槽4杯
ラーメンの汁 浴槽4杯
醤油大さじ1 浴槽2杯

もしこれだけの台所排水を出した場合、魚が生きていける水質まで汚れを薄めるためにはこれだけの水の量が必要になります。水環境を汚さないために、これらの有機物を極力排出しないよう心がけましょう。

生活雑排水別、私たちにできること。

台所排水

  • 食べ残しや残しカスを流さない
  • 油汚れは髪などで拭いてから洗う
  • 汁物は残らないように作る
  • 使えなくなった油を流しに流さない
  • 洗剤の量を多く使用しない

洗濯排水

  • 洗剤の使用量を守る
  • すすぎを1回にする
  • 汚れの酷いものは手洗いをする
  • 糸くずフィルターをつける

お風呂排水

  • 1回入っただけで捨てない
  • 洗濯や掃除などで再利用する
  • シャンプーやリンスなどを無駄に使用しない
  • 抜けた髪の毛などを流さない

トイレ

  • トイレットペーパー以外流さない

 
わたし達が普段からこれらのことを意識して行うようにするだけで、生活雑排水の汚れを減らすことが出来ます。特にこの中で最も水環境を汚してしまう原因は、台所排水です。水資源をまもるために、まずは台所排水を出来る限り汚さないように意識して見るようにしましょう。

おわりに

わたし達が普段利用している水道水は、再利用されているのです。しかしその使用した水があまりにも汚れていると再利用することができない上に、魚などの生物が生きていけないような環境にしてしまうのです。わたし達自身が、水不足に陥らないためにも生活雑排水を出来る限り汚さないように、意識することが大切です。

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